先週の話で恐縮ですが。
チケットはFCで取りました。下手ブロックセンター寄り通路脇。舞台を見渡せて大変良い席でした。前の席の方が巨大だった以外は。
テラヤマ!しかも剛くん!ということで一も二もなくチケットを取った私ですから、そもそも満足しないわけがない。堪能させていただきました。
初演もこんなに長い芝居だったのかなあ?という疑念はありますが(笑)。
以下ネタバレにつき要反転。
とにかく剛くん、さすがでした。
あの役はぴったりだった。
窪塚くんのキレッキレの演技もすごかった。そして一見、彼にはじけっぷりでは負けているようにも見えたかもしれない剛くん。でも、それでいいのだ。
灰男への憧れ、憧れゆえのジレンマ、抑圧、憤り、見事に伝わってきました。
そんな彼の、公衆便所の中の最後の小さなナイフのような叫びが、凡庸の象徴であった人たち(床屋の人たちね)の声でかき消されそうになっていく様は、ホントに切なくて死にそうでした。
大衆に飲み込まれて、彼の小さなナイフは鋭さを失っていくんだな。ただの凡庸な人に成り下がっていくのだな。そんな将来さえ想像できてしまう演技。すばらしい。
そういう意味では、蜷川さんの演出はほんっとうにわかりやすかった。
今回はもう、ほんっとに。(それで長くなっちゃったんだろうなとも思うけど)
奥を開けて道路(=現実)を見せるいつもの演出にさえ「えっ、なになに?」とざわつくくらい普段芝居観て無い層には、初心者向けアングラとして良い出来だったのではないかと。
しかし私はやっぱり物足りない。公衆便所とか、闇市とか、レイプとか、小便ぶっかけるような私刑とか、そのまんま見せられてもつまんない。
寺山さんの台詞回しを楽しむ観点がなければ、たぶん飽きてた。
もっと若い演出家の「血は立ったまま眠っている」が観たくなった、そんな観劇でした。
剛くんにはもっと舞台出て欲しい。次回の舞台出演を心から待っています。
最近のコメント