もう10日ほど前のことですが。
本当にもう、野田さんについてはすごいとか天才だとか、語ることももうしゃらくさくて嫌なのです…。
とにもかくにも、シアタートラムが大好きです。
椅子はちょっと固いけど、狭くて傾斜があって、役者の囁きまで聞こえてくるようなあの空間が大好きです。
そこに流れる濃密な時間と空間。体中の間隔を極限まで研ぎ澄ました役者さんたちの息遣いまで手に取るようで。
装置も小道具も照明も無駄なものが一切なく、言葉の一つ一つも完璧なリズムと意味をもち耳の中へと心地よく流れこんで来るような。
字幕を見ながらの観劇はさすがにちょっと忙しかったけど、見逃すような場面はなかったように思う。それも小さい小屋ならでは?
ほんの1時間半の話が、なんと深く胸をえぐることか。
作中でエッセンスとして出てくる素材のすべてを知っているとは言えない自分でさえそうなのだから、源氏物語や近代能楽集に精通した人はいかばかりかと思う。
ひさびさに「芝居を観た」と思った。実感して、満足した。
この気分のために、演劇好きは代金を払ってチケットを買うのだと思う。
招待で見せていただくことも増えた昨今とはいえ、やっぱり観たいものを自分で観ることはやめちゃいけないな、と心底思った。
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